これまでの活動・現在の活動

2019年に始まった飯舘村での活動。

新たな地での活動には様々な困難が伴ったものの

地域の方々の協力をいただきながら着実に活動の幅を広げてきました。

このページでは、地域の方々と進めてきたこれまでの活動を

今後の展望と併せて紹介していきます。


2019年

そば栽培を通しての交流


飯舘村での活動は、蕎麦栽培からスタートしました。8月に蕎麦を播き、10月に収穫・脱穀を行いました。

「までい」なやり方にこだわり、手植え・手刈り・手作業での脱穀を行いましたが、非常に大型の台風19号により収穫、脱穀の予定が大きく崩れてしまいました。
よって、10月は土日・平日を問わず毎週訪問するという事態になりました。

しかし、この蕎麦づくりを通して土地を貸していただいた農家さんからじっくりと様々なお話を伺うことができ次第に飯舘村への興味が増していきました。



厳重な放射線検査を無事に通過した蕎麦をついに食べるときがやってきました。

地元の方に手ほどきを受けながら自ら打ち、10回近くの訪問を重ねて育ててきた蕎麦の味はまさに格別でした。

さらに、この蕎麦を用いた交流会を村の農業委員会さんと共催しました。自分たちの育てた蕎麦を村の方々に振る舞うとともに、11月までの半年間で自分たちが行った活動、感じたことなどを村のみなさんに報告しました。

いいたてむらびとずかん1の作成


そこで、飯舘村に帰村して活動されている住民の方は現在どのような暮らしをされているのか、飯舘村の現状についてどのように思っているのかなどを肌で感じるため、ヒアリングをすることにしました。

また、同じような目的を共有していたため、このインタビュー活動は地元の福島大学の学生さんとも共同で行いました。

帰村された住民同士のつながりが希薄となっている、という現状を少しでも好転させ、むらを活気づけようと、どの地区の誰が現在どんな想いでどのような生活をしているのかをわかりやすくまとめた冊子「いいたてむらびとずかん」 を作成しました。


2020年

コロナに負けず一歩ずつ

むらびとずかん


2020年度の前半は、コロナの影響で飯舘村への訪問を中断せざるを得なくなりました。

6月には、新入生を交えて村内の方のお話を伺う会をオンラインで開催しました。訪問を再開できたのは、9月に入ってからです。村の未来を考えるワークショップや、稲刈り体験にも参加しました。
また、11月には、村内のイベントで「いいたてむらびとずかん」を配布させていただきました。


2021年

いいたてむらびとずかん2の作成

体制を整え飯舘村への訪問を再開させてすぐに、活動再開のきっかけとして始まったのが、「いいたてむらびとずかん2」の作成です。

第1弾のずかんでは紹介できなかったさまざまな住民の方に焦点をあて、オンラインツールも併用しながらヒアリングを行いました。


ずかんの作成を通じてまた新しい住民の方々に出会い、彼らが様々な考えを持ち精力的に活動されている姿を目の当たりにしました。この活動を通して、住民の方の声を通して村のリアルを知ることの重要性を再確認できました。

作成したずかんは、役場や道の駅などに置かせていただきました。より多くの方に「むらびと」の今、そして飯舘村の魅力を感じてほしいと思っています。

こちらのサイトにも本編の内容の一部を掲載していますので、是非ご覧ください。


2022年

道の駅花壇整備


村唯一のコンビニエンスストアや食堂などが入るいいたてむらの道の駅までい館。この裏側にある空き地に、2022年花壇を設置しました。私たち東大むら塾飯舘部と福島大学食農学類農林サークル福桃との共同での実施で、元々空き地だったこのスペースを何か活用したいとの館長(当時)との会話から生まれた取り組みです。

花壇の設置にあたっては、地元農家や地元NPOからたくさんの知恵や力をお借りさせていただきました。

例えば、土は地元の農家のご指導をいただきながら、土を取って運搬していただいたり、堆肥の指導をしてくださったりしました。

花壇の木枠も、村内で余っていた木材をもとに自作したものです。ほとんど木工の知識がない中、地元NPOの方が設計図を見てくださり、無事設置、花を咲かせることができました。

福島飯舘学生サミット

飯舘村には、原発事故以降複数の大学が関わっています。しかしながら、それぞれの団体同士の連携には課題があり、とりわけ学生同士のつながりは希薄でした。

こうした状況を踏まえ、2022年9月に「福島飯舘学生サミット」と銘打ち、我々をはじめ、福島大学、大阪大学、慶應義塾大学という、浜通りの復興に携わる4大学の学生が集う行事を開催しました。

1日目には、午前中村内の復興の状況や営農再開の現状を、サミット担当者の案内のもと見学して回りました。写真は、東大むら塾飯舘部と福島大学食農学類農林サークル福桃と共同で実施している道の駅花壇事業の説明を参加者が聞く様子です。

学生サミットでは、初日杉岡村長も参加してくださり、サークルや学生としてできることについて4大学合同で話し合いました。

2日目には、地元の集落の代表を務められている行政区長の方から、地区の様子や復興の取り組みについて参加学生が直接話を伺いました。

このサミットをきっかけに、ある参加大学は村内の宿泊施設ゲストハウスCOCODAに頻繁に赴くようになりました、

福島飯舘学生サミットの取り組みは、県域新聞の一つの福島民報に取り上げられました。また、村の広報誌においても紹介していただいています。

このほか、復興農学会の会誌において詳細の報告を行なっておりますので、是非ご覧ください。


これからの活動

地域の子供たちとのワークショップ


大学生という飯舘村では貴重な存在であることを生かし、交流を通して飯舘村の子供たちに良質な学びや楽しい体験を提供することを目的としたプロジェクトを計画しています。現在は、LINEスタンプ作成のワーックショップ企画を進めています。飯舘村をPRできるようなLINEスタンプを子供たちと一緒に作成し、飯舘村について楽しく学びながらものづくりの体験ができる機会を設けたいと考えています。

林業広報活動

飯舘村の林業を活性化させるために、林業従事者を村の内外から呼び込む活動をしていきます。飯舘村森林組合の方々と協力して、郡山市の研修施設「林業アカデミーふくしま」の研修生に向けて飯舘村の林業を紹介し、飯舘村森林組合に就職してもらうことを目指しています。現在、森林組合のポスターや紹介動画の作成を進めており、林業アカデミーや求人サイトに掲載する予定です。

地区紹介冊子「行政区ずかん」の作成

飯舘村は、さらに20の行政区に分かれ、それぞれで独自の自治活動や行事・文化を有しています。私たちは、事故前の行政区の文化を記録するとともに、今の行政区の様子を一つにまとめ、移住者や今村に住ん方に向けた地域のPRを行うために、地区紹介冊子の作成を進めています。